頑張る生産者

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金沢宮野農園  代表 宮野徹さん (JA金沢市蓮根部会 部会長)

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加賀れんこん生産の宮野徹さんを訪ねて

長年,河北潟で加賀れんこん生産に携わり、加賀れんこんを美味しく育てたいとの思いを、 3代目の息子さんが継いでくれることになり、お喜びの宮野徹さん(JA金沢市蓮根部会の部会長)にお話をお聞きしました。

泥の中を手探りで水堀り。

加賀野菜の一つ加賀れんこんは、穴が小さく芯が詰まっていて、手に持つとずっしり重量感があり、とても粘りのある美味しさが特徴です。
8月のお盆前から翌年の5月前あたりまで、暑さ寒さも雨も雪も関係なく毎日のように泥の田んぼに入る作業。
蓮根のどこが頭で、どこが尻尾なのかを手探りで想像しながら、水圧を利用して丁寧に水堀りします。

蓮根の「食文化」を広げたい。

私たちは加賀れんこんに馴染みがありますが,東北や北海道では蓮根を食べる文化があまりないそうです。そういった地域の人達にも蓮根を食べていただきたいと思っていますし、金沢を訪れる海外からの旅行者も増えていますので、「何これ?」という驚きと美味しさのある“加賀れんこん”をぜひ経験してほしいと思っています。
最近、妻と協力しながら短時間で作れる簡単レシピをいろいろと考案しています。例えば、蓮蒸しのような凝った料理も、市販スープの素を使って電子レンジでチンすれば手軽につくれますし、たくさんの人に蓮根を食べていただきたいと思います。

寒暖の差で味が乗ってくる。

蓮根の成長にとって一番大事なのは太陽の光。仏教と共に伝来してきたので、温かいところの方が良く育つだろうとは思いますが、加賀れんこんの特徴を生み出すのは寒さだと思います。寒暖の差があることによって、味がのってくるというか、甘さが引き立つという感覚があります。

ぽん、ぽん。花の開く音が聞こえる。

金沢の市街地からほんの数十分という近さにある河北潟干拓地の蓮根田。
夏場ですと成長して泥の中から顔を出した蓮根が花を咲かせますので、開くときの「ぽん、ぽん」という音をぜひ聞いてみてほしいものです。
冬場は水の中に入って、寒くて冷たくて、本当に大変な収穫作業をしています。それを知っていただいたうえで、温かいお味噌汁を味わい楽しんでもらえれば、私たち蓮根農家もとても嬉しいです。

(平成29年11月取材)