頑張る生産者

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北本農園  園主 北本安信さん

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コマツナ生産の北本安信さんを訪ねて

幅15メートル、長さ150メートルという巨大なハウス。
中では約700坪(2,300㎡)の広さ一面に、収穫を間近にひかえたコマツナがひろがっています。
手探りで始めたというコマツナ生産を軌道に乗せた、北本農園の園主・北本安信さんにお聞きしました。

安定した農業を目指したけれど。

昭和54年に河北潟干拓地への入植が始まった当初からここで農業をやっています。
収入が安定した農業経営をと考え、麦や大豆、キャベツ、小玉スイカ、里芋などに取り組みましたが、
いずれも採算が取れるまでにはなりませんでした。
露地物の野菜を諦め、メロンのハウス栽培に挑戦。
でもメロンも連作障害や病害、価格の下落などでうまくいかず、
そんな苦労を経験したあとコマツナをやるようになったのが平成7年のことです。

手探りで始めたコマツナづくり。

最初はコマツナ栽培についてのまとまったデータが手に入らず、 種を蒔いたあとどのくらいで収穫できるのか、そんな初歩の初歩からの取組みでしたが、今では年間を通じてコマツナ生産ができるようになりました。
大小合わせて38個のハウスの中で、夏場だと約一か月ばかり、冬場だと2か月から3か月で出荷できるまでに育つコマツナ。それぞれのハウスで収穫時期を調整しながら、1年に6~7回の栽培と収穫を繰り返しています。

作業する人にも嬉しい巨大ハウス。

700坪という巨大ハウスは、数年前の大雪で幾つかのパイプハウスが壊れたときに、思いきって建てたものです。強度のある構造で強風や大雪にも安心なのはもちろん、空調センサーにより風の通りや温度が自動管理されています。天井が高くて作業空間が広いので、狭いパイプハウスの中での熱気に包まれての摘み取り作業とは大違い。作業を手伝って頂くパートさんに喜んでもらえているのが何よりです。

学びの機会が多いコマツナだから。

私が喜んでいるのは息子が手伝ってくれるようになったこと。
すべてを任せられるようになるのはもう少し先だとは思いますが、コマツナというのは年に6~7回も収穫を繰り返しますし、
大小のハウスそれぞれに成長度合いに応じたコマツナが育っていますので、まさに毎日が学びの連続です。
近ごろではスムージーにも使われ人気ですし、浅漬け、ごまあえ、おひたしなど、もっともっと河北潟のコマツナを味わって頂ければ嬉しいです。

(平成29年6月取材)